顧問弁護士

顧問弁護士活用法 第3回~企業法務に対する誤解②~

1 はじめに

前回に続き、企業法務における誤解について解説します。

前回は裁判に対する誤解について解説しましたが、今回は、仮に裁判に勝ったとしても、自動的に債権が回収されるわけではないことについて解説します。

 

2 誤解②~裁判に勝てば自動的に債権が回収される~

(1)裁判に勝つことと債権を回収することは別の話

これは経営者のみならず、多くの人が誤解しているところです。

仮に、裁判で勝訴判決を得たとしても、それだけでは債権は回収できません。裁判所がしてくれるのは、債権を回収する権利のお墨付きを与えてくれることまでです。

裁判所が判決の際に、債権を回収して渡してくれるわけではありません。

確かに、判決を得た後は債権を支払うこともありますが、多くの場合は、判決を無視して債権を支払いません。そのため、判決を得た後、今度は相手の財産に対して強制執行手続きを行う必要があります。

ここで、問題になるのが、相手に財産がない場合、または、相手が財産を隠してしまってわからない場合です。

相手に財産が本当にないのであれば、もうこれはどうしようもありません。判決を書いた紙はただの紙となってしまいます。

また、相手が財産を隠してしまっている場合も、裁判所が探してくれるわけではありません。興信所や探偵に頼んで財産のありかを調べてもらうことも不可能でありませんが、下手をすると回収する債権額よりも多額の費用を請求されることもあります。

前回も解説したとおり、裁判所が何とかしてくれるだろうという考えでは、債権回収は上手くいかないのです。

 

(2)債権回収のステップ

裁判に勝ったからといって債権が回収できるわけではない以上、企業は債権回収の方法とそのための準備を知っておく必要があります。典型的なものは次の5つです。

 

① 取引の前に入念に相手先企業の調査を行う。

② リスク分析を行い取引開始時に必要な担保を得る。取引開始後も、相手先企業の状況を随時確認し、倒産や債権回収に不安が残る場合には、担保提供を求める。場合によっては、取引終了も検討する。

③ 必要に応じて、あらかじめ調査しておいた財産に対して、仮差押えをして保全する。

④ 問題が発生したら、交渉によって債権回収を図る。できない場合は、担保権を実行する。

⑤ 裁判に勝ち、差押えを実行して回収する。

 

特に①の段階での企業調査が非常に重要です。顧問弁護士に依頼して、会社や会社が保有している不動産の登記を取得し、登記から読み取れる情報を獲得するということも検討するべきです。この程度の調査であれば、顧問契約の範囲で行うことが可能であることがほとんどでしょう。顧問弁護士を活用する1つの方法といえます。

 

3 さいごに

この記事を読まれて、「うちの会社はどうなのだろうか」「顧問弁護士の使い方について話を聞きたい」等がございましたら、一度、弊所までご相談にいらしてください。

企業の業種、状況などから予想されるリスクの種類の大きさから、その企業ごとにカスタマイズした顧問弁護士の使い方や顧問契約をご提案させていただきます。

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