資金調達

経営者保証に関するガイドライン①

1 はじめに

この記事を読んでいるということは、いま実際に経営者保証をしていたり、借り入れをしての会社設立を予定している等、この「経営者保証に関するガイドライン」という文字に興味関心を持たれたということでしょう。

 

今回からは、会社を経営する経営者の悩みの種の最たるものと言っても過言ではない「資金」に関し、経営者が新しく融資を受けやすくなり、また、経営者保証を解除することができるようになる指針を示したガイドラインについて、説明します。

 

このガイドライン自体は、平成26年から導入されたばかりであり、まだあまり知られていません。

 

そこで、経営者に関するガイドラインについて知っていただき、今後の経営に生かしていただきたいと思います。

 

2 経営者保証に関するガイドラインとは?

まずは経営者保証に関するガイドラインの概要について簡単にお伝えします。

 

「経営者保証に関するガイドライン」とは、平成26年に中小企業庁が発表したもので、簡単に言えば、経営者は新しい融資が受けやすくなり、また、中小企業の悩みの種になることが多い経営者保証を解除することができる可能性を示した指針となります。

 

そもそも、経営者保証は個人保証の一種であり、日本独自の商慣習です。経営者保証は資金調達の円滑化に資する側面もありますが、その一方で、会社の経営状態が傾くと、経営者個人もこの保証が原因で大きな借金を負うことになり、会社の倒産とともに経営者自身も自己破産をしなければならない等大きなリスクを内包しています。

 

そのため、一度経営が傾くと、経営者保証のために保証債務を履行しなければならなくなり、更なる負担を強いられるため、融資を積極的に利用した事業展開を行いさらなる成長を図るといった、思い切った経営戦略が採りにくい状況を生み出していました。

 

そんな状況を改善するべく、中小企業庁は、金融庁と共に経営者保証に関するガイドラインを策定し、中小企業の活性化を図るようになりました。

 

「経営者保証に関するガイドライン」には、法的拘束力こそありません。

 

しかし、金融機関や中小企業、経営者が自主的に遵守・尊重することが期待されているだけでなく、中小企業庁や金融庁、専門家がバックアップしているため安心して使えるものだといえます。

 

 

3 経営者保証に関するガイドラインのポイント

次に、経営者保証に関するガイドラインのポイントについてお伝えします。

 

経営者保証に関するガイドラインの内容として代表的なものを挙げるなら以下のようなものがあります。

 

①法人と個人が明確に分離されている場合などに、経営者の個人保証を求めないこと。

②多額の個人保証を行っていた場合でも早い段階で事業再生や廃業を決断した場合、その際に一定の従来の自由財産99万円に加え、経営者の年齢などに応じて100万円~360万円を残し、「華美でない」自宅に住み続けられることなどを検討すること。

③保証債務履行が発生した際に返済しきれない債務残額は原則として免除すること。

 

 

つまり、経営者保証に関するガイドラインのポイントは「①経営者保証の解除」、「②返済の際の生活の保護」、「③債務の免除」だといえます。

 

経営者保証は、会社による返済を行うことができず、経営者個人が保証債務を履行しなければならない場合に、経営者の自宅や貯金を取り上げられてしまうリスクを孕んでいるため、それが新たに融資を受けることを控えてしまう原因となっています。

 

しかし、経営者保証に関するガイドラインのおかげで、次回以降に説明する要件を満たすことができれば、経営者保証それ自体を解除することができ、リスクを低減したうえで融資を受けられるようになる可能性が出てくるのです。

 

また、経営者保証を伴う融資を受けている企業の経営が傾いた場合にも、要件を満たしていれば返済が免除されます。さらに当面の生活費(前述した自由財産99万円+年齢に応じて100万円~360万円)を残し、自宅も残してくれるため、最低限の生活を確保できるようになり、迅速な経営再建や清算が行いやすくなります。

 

このように、経営者保証に関するガイドラインは、「新規融資・保証契約の見直し」と「債務整理」の両面で活用できるものです。

 

中小企業の経営者は、一般的に、大企業の経営者と比較すると資金繰りが苦しい傾向があるうえに、一定の財産を確保することも簡単ではありません。

 

そのため、中小企業の経営者は、経営環境や景気の変動によって、会社経営のみならず実生活にも大きな損害を受けてしまうリスクが高いと言えます。

 

日本の会社の99%の割合を占める中小企業は、日本経済の屋台骨といっても過言ではなく、中小企業が苦境に立たされることは日本社会にとって大きな損失になり得るといえます。

 

最近では、国や自治体が中小企業を積極的にバックアップするようになってきており、経営者保証に関するガイドラインはその一環として施行されています。そのため、中小企業の経営者の方はガイドラインの活用を検討されてみてはいかがでしょうか。

 

4 さいごに

この記事を読まれて、「うちの会社でこのガイドラインを利用することはできないだろうか」等の疑問点等がございましたら、一度、弊所までご相談にいらしてください。

 

企業の業種、状況などから予想されるリスクの種類の大きさから、その企業ごとにカスタマイズしたご提案をさせていただきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です