顧問弁護士

取引前の調査~付き合う前の品定め⑤~SNSやホームページ等から読み取れる情報

1 はじめに

前回までは、企業調査の1つである登記情報の取得方法と登記情報から読み取れる情報についてお話しました。

今回は、登記以外からも獲得できる情報についてお話しします。

 

2 インターネット

(1)ホームページ・SNS

取引先が開設している会社のホームページは必ず確認しましょう。会社のホームページでは、取扱商品やサービスの説明の他、会社概要、会社の沿革、取引先及び取引銀行等が記載されていることが多く、特に取引先や取引銀行は、債権を回収する際に探す手間が減るため、これらを知ることは取引においても非常に有効です。

取引先への売掛金を仮差押すると債権回収効果は抜群です。また、取引銀行の情報は知ることが難しい情報の1つですので、ホームページ上に記載があれば必ず押さえておくようにしましょう。

他方、ホームページの作りが雑であったり、完成していないような場合には、会社自体も営業の実態がない可能性がありますので、その他の調査と合わせて取引について検討する等注意が必要です。

また、会社代表者によるSNSの投稿は、会社代表者の人となりや事業に対する取り組み、交友関係等を確認できることがありますので調べたときに思いがけない情報が手に入るかもしれません。。

 

(2)監督官庁や消費者保護団体のホームページ

取引先の監督官庁、関連する自主規制団体や消費者団体のホームページを調べることも重要です。この調査により、過去の法令違反事例や行政処分事例、苦情相談の事例や件数等を知ることができる場合があります。

重要な法令違反等を行ったことがある、行政処分の回数が多いといった事情があれば、取引については慎重な検討が必要になると思います。

 

(3)ブログ・掲示板

また、ブログや掲示板において、対象企業を退職した従業員が会社の内部事情について書き込みをしていることがあります。2019年6月には有名な「カネカ」が報復転勤を行ったとして炎上したこともあります。こういった点から、対象企業がコンプライアンスにどれだけ注意を払っているのかを確認することができます。

インターネット上の情報を最大限に活用して取引をするしない、条件面等の判断に活用しましょう。

 

3 インターネット以外での調査

(1)会社案内、業界内の調査

対象企業の会社案内・パンフレットは入手が容易であるため、必ず取り寄せて目を通すべきでしょう。また、対象企業が業界内である程度の知名度を有している場合には、業界新聞・業界雑誌からも情報が入手できる可能性があります。同じ業界に従事している人からの聞き込みも業界内でしか手に入れることができない情報を入手できる可能性があります。

 

(2)調査会社の調査報告書

代表的な信用調査会社として、株式会社帝国データバンクや株式会社東京商工リサーチ等があります。これらの調査報告書には様々な情報が記載されていますが、法人登記情報の調査ではわからない株主に関する情報、従業員・設備概要、取引先、取引銀行・信金情報、財務諸表、財務諸表文責表、推定キャッシュフロー計算書等を取得することができます。

また、企業が健全な経営活動を行っているか、支払能力があるか、安全な取引ができるか等について100点満点で評価されていることがあります。数値による評価であるためわかりやすき、第三者機関による客観的な評価であることから、自社による分析と併せて参考にするとよいと思われます。

 

4 さいごに

今回までで、代表的な情報調査の方法についてお話しました。

この記事を読まれて、「うちの会社はどうなのだろうか」「顧問弁護士の使い方について話を聞きたい」等がございましたら、一度、弊所までご相談にいらしてください。

企業の業種、状況などから予想されるリスクの種類の大きさのみならず、企業の理念、経営者の考え方などから、その企業ごとにカスタマイズした顧問弁護士の使い方や顧問契約をご提案させていただきます。

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